昨晩22日、ロスアンジェルス・ハリウッドのコダックシアターで開催された、第81回のアカデミー賞受賞式は、久しぶりにあきることなく、たっぷりテレビの前で満喫できました。
なんといっても、この作品が作品賞を取ってくれたらなあ、と密かに願っていた映画、「スラム ドッグ$ミリオネア」が作品賞の他、監督賞、脚色賞、撮影賞、録音賞、編集賞、作曲賞、歌曲賞の最多8部門もさらったこと! おめでとうございますっ!!!!!
ハデハデのハリウッド映画とはうってかわって、少ない予算の中、インドのスラム街を舞台にクイズ番組ミリオネアに出演し優勝する少年の姿を描くこの作品は、最後までハラハラドキドキしっぱなし、子役の演技力も最高でした。(写真参照、提供NYTimes)
その上、もっとうれしかったことは、日本からノミネートされた「おくりびと - Departures」(滝田洋二郎監督)が外国語映画賞に輝いたこと。そして、もう1本の日本作品「つみきのいえ - La Maison ed Petits Cubes」(加藤久仁 生監督)も短篇アニメ賞を獲得。映画のタイトルがフランス語だったので、加藤監督が舞台にあがるまで、絶対フランス人の監督だろう、と思っていただけに喜びもダブル、IT IS SO FANTASTIC!
ここでアカデミー賞の歴史をちょっとさかのぼってみると、、、実は大分前にも「羅生門」(黒沢明監督)と「地獄門」(衣笠貞之助 監督)、「宮本武蔵」(稲垣浩監督)が、外国語映画賞の前身にあたる名誉賞を受賞しているんですね。そういえば、来月3月28日のミステリオテイーンズの特別ゲストにお招きしているリンダ・ホーグランドさんが英語字幕を入れた、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」も6年前に長編アニメ賞を獲得していましたね。
今回、日本映画が2本もこの晴れやかな舞台で評価されたことは、日本人としてとっても誇りに思うこと。ただ、ちょっとだけ残念だなと思ったことがひとつだけ。彼らの受賞スピーチを聞きながら、アメリカに住む日本人として、う〜〜〜〜〜ん、っと思わずうなってしまいました。
アメリカ人はもしかしたら何とも思っていないかもしれないし、大人なのにサンキューの連続スピーチをかわいらしい、と思ったかもしれません、その上、日本人にとって英語は母国語ではないし、突然、アカデミー賞をいただいて壇上に立つ訳ですから、どんなに慣れている人でも、あがっちゃうことは当然だろう、と思う反面、「スラムドッグ」で受賞したインド人たちは、母国語ではない英語でしっかり喜びを表現したスピーチしていたしなあ、と、なんだかちょっぴり残念な気持ち。
だからやっぱり、日本の中高大学生の英語教育の中身の重要性を、もっと見直してほしいなあ、という気がしてしまいました。
ですから、日本の若者のみなさん!べらべら話せなくてもいいし、いざとなったらスピーチを書いてくれるプロのライターもいるし、通訳を雇うことだってできるけれど、これからどんどんみんなの才能が世界に認められる時代がやってくるはずだから、英語でスピーチをする機会も、きっと増えると思うのです。そのときのために、最低限でもいい、自分の気持ちを英語で表現できるように英語で準備したり練習することは大切なことではないかしら。
こんなことも含めて、3月28日(土)の午後、リンダの語るミステリオテイーンズプログラムをどうぞお楽しみに!
英語で生のアカデミー賞の様子を映像と共に聞きたい人は、こちらをクリック!
そうそう、23日発売の雑誌アエラもお忘れなく。秦万里子さんが見開きで出ていますよ!